平成30年2月22日(火)

(朝日カルチャー)京都市 永観堂と聖宙庵

永観堂は通称で、寺の名称は「禅林寺(ぜんりんじ)」。寺の通称は、平安時代の僧侶、永観(ようかん)に由来する。永観は、東大寺の別当だった。僧侶としては、エリートだったらしい。永観は、慈善事業を行った。庶民に梅の塩漬けを配ったり、風呂を作ったりした。
禅林寺に移る時に、東大寺の倉庫にあった阿弥陀仏像を、可哀想に思い、譲り受けて、背負ってのお移りの途中、取り戻しに来た僧侶が、永観の背中から仏像を取り戻そうとしたところ、阿弥陀仏は、永観の背中に張り付き離れなかったので、仏像はそのまま、永観と共に禅林寺にお移りになった。永観は、毎日、念仏を六万編唱えた。行道をしているある時、目の前に阿弥陀が現れ、永観と一緒に行道をし始めたのを見て永観が驚いていると、阿弥陀が振り返り、「永観遅し」と言った。その姿を写し取ったのが、現在の永観堂の本尊である見返りの阿弥陀如来である。
永観堂の中門を入ったところに、売店があり仏手柑(ぶっしゅかん)の植木があり、飴が売られている。また、売店の中では、三鈷の松の葉があり、参拝者は持ち帰ることが出来る。三鈷の松の葉は、松葉がみっつあるもので、永観堂ではタンスの中などに入れておくと、福がたまる、と説明している。

聖宙庵(せいちゅうあん)は、フレンチ料理である。
見通せない住宅街の中にあり、入り口を見つけた時には、少し達成感を感じることが出来た。
予約をしていても、料理が出てくるのは、かなりゆっくりなので、充分に時間がある時に利用するといい。
また、サービスレベルも高くはない。しかし、相当の隠れ家であることと、料理の内容のレベルが高いことと、シェフの人柄が相当、穏やかであることが、サービスのレベルを超える価値がある。
この日の料理は、スープは根パセリのスープ、肉料理にはいちじくのソース、デザートには、白味噌のプディングだった。