柏原市 安明寺とアントワーヌ

令和2年(2020年)年11月17日(火)

安明寺

安明寺
通称は、ぶどう寺と言われる。

柏原市太平寺辺りの現在は、柏原ワインの発祥地であり、現在もワイナリーがあり、ぶどう畑で有名である。かつてこの辺りは、奈良の大仏以前に、大仏があり、また、大きな寺が数多くあった。

「智識寺は河内六寺の一つで、仏教を信仰する「知識」と呼ばれる人々が建てたお寺です。東西に高さ50mに及ぶ二つの塔を持ち、中心の北側に金堂、講堂が 並ぶ薬師寺式の伽藍配置(がらんはいち)であったと考えられています。東塔跡は調査されて一辺16.8mの重成基壇(じゅうせいきだん:建物の土台で二段 に高くなる特殊な構造)が確認されています。礎石は石神社の境内に移されていました。(引用:柏原市文化財課 智識寺金堂跡および東塔跡)」

「8世紀の歴史書『続日本紀』(しょくにほんき)には、天平12年(740年)2月に聖武天皇が難波宮へ行幸の途中、智識寺の盧舎那仏(るしゃなぶつ)を拝まれ、このことが東大寺大仏の造立の発起となったことが記されている。(引用:三郷町 智識寺)」

「1086年(応徳3年)に落雷により建物が倒壊して6丈の観音像が破壊された(『扶桑略記』)。以後、知識寺は荒廃し、鎌倉時代に源頼朝の命によって観音寺に統合されたと伝えられている。柏原市太平寺に在る天冠山観音寺には、知識寺のものとされる経机が伝わっている。 (引用:weblio 智識寺跡)」

智識寺跡の一部は現在の石神社である。

ご住職によると、この辺りは、難波宮と奈良の都の間の中継地であった。現在は陸地の部分も、当時はそのへんまで海で、それに沿って、6つの寺があり、その一つが智識寺だった。その頃から、ぶどうの鴟尾があった。薬師寺の須弥壇の後ろにシルクロードの植物のデザインが有り、そこにぶどうがある。

安明寺は、寛永5年(1628年)、徳川家康十三回忌に創建された。本尊の阿弥陀如来は舟形光背、厨子は、創建当時のもので、厨子(扉がないので空殿(宮殿くうでん)※住職による説明通り) の左右の欄間(住職による説明通り)の彫刻はぶどうである。住職の知る限り、日本でここだけ。金箔は昭和54年に塗り直している。また、本殿入り口上部の蟇股には、徳川の知恵袋と言われた本多家の家紋がある。この部分は創建当時のままである。
下がり藤の瓦は、修理の際に、山本瓦工業が入れてくれたもの。

天井画のぶどうの絵は、ご住職の奥様によるもの。それまで全く絵画を描くことはなかったそうだ。嫁いで来た当時は、そこらかしこぶどう畑だった思い出から、ぶどうを描くことにした。花と3種のぶどうを繰り返し描いた。花、マスカット、ベリーA、本ぶどう(甲州ぶどう)4枚だけ、4種の生き物、カマキリ、カエル、雀、ともう一つを描いた。

本堂内にある、照明カバーは、伝統工芸作家の公文邦彦氏の最後の作品である。

アントワーヌ

アントワーヌは、近鉄大阪線堅下駅前すぐにある。店内10名ほどの定員。ランチコースメニューから、3名は和牛にグレードアップした。ベジタリアンも快く対応してくれた。ワインは、柏原ワインが揃っている。盛り付け量は多い目。前菜、サラダに、しらすを加えているのが発想が個性的で、工夫をしていると思った、身近な馴染みやすい味になる。ベジタリアンのメインは、天然の舞茸で香りが素晴らしく良かった。メニュー全般に、しっかりした食感と、素材の味へのこだわりを感じた。