宿泊約款
内容: 国土交通省観光庁の「モデル宿泊約款」を元に、特に宿泊産業の安全を守るために重要な項目について説明する。 また、民法改正による約款に関わる項目についても説明する。
事前の学習( 45分)
国土交通省観光庁ウェブサイト「登録ホテル・旅館」と「モデル宿泊約款の改正について」のページを読み、「モデル宿泊約款」を読んでおく。
国土交通省観光庁ウェブサイト「登録ホテル・旅館」http://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/sangyou/hotel.html
国土交通省観光庁ウェブサイト「モデル宿泊約款の改正について」http://www.mlit.go.jp/kankocho/news06_000106.html
事後の学習( 45分)
多くのホテルや旅館は、公式ホームページで宿泊約款を公開しているので、それらから、モデル宿泊約款との違いを調べることで、各ホテルの特徴や、宿泊産業界の動きを知る。
今日の内容
- 宿泊約款とは
- モデル宿泊約款の内容
- 登録ホテル・旅館
- 国際観光ホテル整備法
- 民法改正
- 約款と契約書の違い
- 定型約款
今日の動画
宿泊約款とは
テキスト「ホテルビジネス基礎編」62ページ
資料「モデル宿泊約款」
約款(やっかん)の意味
-漢字・漢和辞典-OK辞典、漢字ペディア-「喜こんだり、親しんだりするための約束」→ルールブック(規定)
旅行業約款、地震約款、国際航空運賃約款、保険約款・・・
宿泊約款とは:
宿泊業が作る、ゲストのためのルールブック
モデル宿泊約款の内容
第1条
「当ホテル(館)が宿泊客との間で締結する宿泊契約およびこれに関連する契約」
宿泊はホテルとゲストとの契約である。
第3条
「宿泊契約は、当ホテル(館)が前条の申し込みを承諾した時に成立する」
ホテルが承諾して契約成立する。
第5条
「当ホテル(館)は、次に掲げる場合において、宿泊契約の締結に応じないことがあります」
次の条件のときには、予約を拒否します。
「(3)法令の規定、公の秩序若しくは善良の風俗に反する行為をするおそれがあると認められるとき」
「おそれがあると認められるとき」、まだしてないけど、そうするはずだ、という証拠とか確信がある。
「(4)法律に規定している暴力団員、暴力団準構成員、暴力団関係者、反社会的勢力。暴力団、暴力団員が事業活動を支配する法人その他の団体。法人でその役員のうちに暴力団員に該当する者があるもの。」
暴力団は絶対お断り。暴力団は絶対に断って下さい、という日本国の方針、姿勢
「(5)、他の宿泊客に著しい迷惑を及ぼす言動をしたとき」
例えば、ロビーで大声で騒いで、「お金は出すからこっちは客なんだから」と言っても、断ります。つまり、ホテルは、その他の大勢の良心的なお客さんを守るために、お客さんを選んでください、という、日本の国の方針
「(6)伝染病であると明らかに認められるとき」
「(7)力的要求行為が行われ、又は合理的な範囲を超える負担を求められたとき」
第6条
(宿泊客の契約解除権)
お客さんからのキャンセル
- 2 宿泊客が自己都合でキャンセルした場合は、キャンセル料(違約金)をもらいます。ただし、事前にホテルが違約金支払い義務について告知した時だけです。
- 3 宿泊当日、約束した到着予定時刻を過ぎても、連絡なしにこなければ、お客さんからキャンセルしたとみなします。
第7条
(当ホテル(館)の契約解除権)
ホテルからの宿泊契約を解除(キャンセル)します。
- 暴力団
- 著しい迷惑行為
- 伝染病
- 暴力的要求行為、または、合理的な範囲を超える負担を求めた時
- 天災等の不可抗力
- 寝タバコや、消防設備等へのいたずら、禁止事項に従わないとき
第12条
料金の支払い
特に、客室を使用しなくても、料金はもらいます。
政府登録ホテル・旅館
宿泊約款は、
なくても、営業は出来る。が・・・
政府登録、政府の推薦や保証が得られる、というメリットが生まれる。
政府登録ホテルマーク
政府の推薦や保証を書いたのが、「国際観光ホテル整備法」
観光庁 >登録ホテル・旅館
国際観光ホテル整備法
テキスト「ホテルビジネス基礎編」31ページ
資料「国際観光ホテル整備法」
(目的)第一条
この法律は、ホテルその他の外客宿泊施設について登録制度を実施するとともに、これらの施設の整備を図り、あわせて外客に対する登録ホテル等に関する情報の提供を促進する等の措置を講ずることにより、外客に対する接遇を充実し、もつて国際観光の振興に寄与することを目的とする。
(ホテルの登録)第三条
ホテル業を営んでいる者は、ホテルごとに、第十九条及び第二十条の規定により観光庁長官の登録を受けた者(以下「登録実施機関」という。)が行う登録を受けることができる。
(料金及び宿泊約款)第十一条
登録ホテル業を営む者は、宿泊料金その他国土交通省令で定める業務に関する料金及び宿泊約款を定め、実施前に、観光庁長官に届け出なければならない。これらを変更しようとするときも、同様とする。
外国人宿泊者のために
- 国土交通省 http://www.mlit.go.jp/common/001215848.pdf -
外国人宿泊客の利便の増進のための措置
- 複数の外国語による案内標識
- クレジットカードでの精算、外貨から日本円への両替
- インターネット設備の整備
- 外国語会話能力を有する複数の従業員による接遇
- 複数の外国語会話能力を有する従業員による接遇
- 外国語パンフレット配布等による観光情報の提供
- ・・・等
約款と契約書の違い
約款は、不特定多数を相手として行う取引の画一的な契約条項である。
契約書は、当事者が誰であるか、や、代金の支払日がいつであるかなど、契約者ごとに異なる個別具体的な内容を取り決めたもの。
宿泊約款は、全てのゲストに対して同じ画一的な内容を、ホテル側が定めたものである。
- 契約とは、双方が確認した約束
- 約款とは、一方的に決めた約束
- 契約書は、約束 → 拘束力がある
- 約款は、お願い → 拘束力がない
定型約款
定型約款、という形式が新設
改正法の内容 定型約款の定義
宿泊約款は、定型約款に該当する
- ① ある特定の者が不特定多数の者を相手方とする取引
- ② 内容の全部又は一部が画一的であることが当事者双方にとって合理的なもの
- ③ 契約の内容とすることを目的として、その特定の者により準備された条項の総体
改正法の内容 定型約款が契約の内容となるための要件(組入要件)
次の場合は、定型約款の条項の内容を相手方が認識していなくても合意したものとみなし、契約内容となる
- ① 定型約款を契約の内容とする旨の合意があった場合
- ② (取引に際して)定型約款を契約の内容とする旨をあらかじめ相手方に「表示」していた場合
例えば、約款に、これは契約です、というようなことが書いてあれば、お願いではなくて、約束になる。
相手が見ていなくても⇒法的拘束力が生まれる
実は現行民法では約款についての規定がありませんでした。当事者の意思を尊重するという観点から、約款に書いてあるからといって必ずしも当事者がそれに拘束されるわけではありませんでした。 しかし、改正法では定型的な取引など一定の場合には約款も契約の内容として効力をもつようになります。 つまり、現行ではキャンセル料は、宿泊約款に明記されていても、習慣的には取らないが、民法改正によって、キャンセル料が発生することになるかも?!<,(https://trendersnet.com/archives/395.html ) >
民法改正 → 宿泊約款が法的拘束力を持つ → "登録ホテル"以上のメリットが生まれる → 宿泊約款はあった方が得!
キャンセル料が確実に請求されるようになるかも
お客さんがホテルを選ぶ、から、ホテルがお客さんを選ぶ、がもっと明確になるかも
今日の学習を、クイズで確認します。
知っていたこと、理解したこと、知らなかったことを整理します。
勉強は、知らなかったことを知ることです。
知らなかったことを知ることは、未来のチャンスを増やすことです。
クリック後、35秒でクイズスタート