ホテル論

旅館とホテルの比較

• 日本の生活様式
• 名称の違い
• 語源の違い
• サービスの違い
• サービスの相対性
• 相対する文化
• ホテルと旅館の名称の違い
• 特徴の比較

日本の生活様式

日本は、江戸時代の鎖国によって、独自の文化が発展してきた。その結果、習慣や生活様式などは、欧米諸国とは大きな差異を持つに至った。

江戸時代末期の開国で、欧米を見習い、国家利益の増大などを目的として、主に欧米諸国からの訪日外客の増加を図ってきた。当時は、日本独自の習慣や生活様式は、欧米諸国人にとって、快適であったわけではなかったため、外客用の宿泊施設は洋式である必要があった。

そこで、洋式の構造を持つ宿泊施設を「ホテル」と称し、日本人用の宿泊施設は和式の構造で「旅館」と称して、区別をした。

生活様式の違い

名称の違い

ホテルの種類には、シティホテル、ビジネスホテル、リゾートホテル、などがある。大型のホテルでは、結婚式場やプール、映画館などの設備を備えるものもある。

旅館の種類には、温泉旅館、観光旅館、割烹旅館（料理旅館）などのほか、都市部にあるビジネスや修学旅行利用主体の駅前旅館がかつてはあったが、平成時代以降、駅前など交通の要所にある宿泊施設は、ホテルが主流となり、ビジネス向けの旅館は数を減らし、観光客向けへと変化した。

実際の名称の比較

語源の違い

Hotel は「もてなすところ」という意味で、旅館は「食べ物を置いてある屋舎」という意味である。

宿泊業とは寝食を提供することによって営業とする。

Hotel の語源は旅人をもてなすところから来ており、もてなすところに注意が向いているのに対して、旅館は食事に注意が向いている。

サービスの違い

ホテルでは、男性を中心とした従業員構成で、客室内はプライベートの空間としての認識があり、接客サービスは客室外で行われ、客の要望があるときに客室内に入る。 旅館では、直接的な接客を行うのは、女性を中心とした従業員で、一般的に客室に入り、食事の提供、寝具の準備などを行い、接遇サービスは客室内が中心となる。

サービスの相対性

ホテル
スタッフは一つのプロセスに対して、サービス（働き）をする。
一のゲストに対して、複数のスタッフが分業でサービスを行う。
（専門職）

旅館
スタッフは一連のプロセスに対して、サービス（働き）をする。
一のゲストに対して、単数のスタッフが専業でサービスを行う。
（総合職）

相対する文化

ホテルと旅館は、同じ宿泊業であっても、相対する文化である。文化とは、人の営みが自然環境を利用し、あるいは適応しつつ、時間の経過の中で作り上げてきたものである。日本では、山川が自然の城壁となり、一つの集落（クニ）が一つの家（home）としての役割となったため、個々の家屋（house）は開放的であってもよく、その仕切は、周辺の環境にふんだんにある木で充分であった。日本文化の生活の特徴は、家の中で靴を脱いで過ごす。いわば旅館では靴と衣服を脱ぎ、寛いで飲食を楽しむことが目的の中心となっている。それに比較すると、ホテルでの飲食はドレスアップをして、楽しむことが目的の中心となっている。

ホテルと旅館の名称の違い

宿の種類を、西洋式と規模の大小によって分ける名称の違いである。

特徴の比較

西洋式と日本式の居室の特徴の、メリットとデメリットの比較。 何をデメリトと考え、何をメリットと考えるかは、人により異なる。

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